9月号(2013)
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“私たちを誘惑に陥らせず・・・”

“私たちを誘惑に陥らせず・・・”

-誘惑に対しての戦い-(その1)

1.誘惑の真実

50年前ごろまで、誘惑と戦うための方法が信仰の養成の一つの大事な要素でした。

私は12歳のときに小神学校に入りましたが、何回も次の言葉を聞きました:“神に奉仕したいと思ったら、誘惑と戦うことについて心を用意しなさい。”

人間としても、キリスト者としても成長するために、誘惑に対しての霊的な戦いという真実に目覚め、その戦いの中で打ち勝つための方法を学ぶのは、当たり前のこととして、信仰の養成の大事なポイントとして見られていました。

 

現在もその戦いの真実と、それを乗り越える方法を学ぶのは大切ですが、あいにく、私たちの文化の中で、成長するための苦しみ、明確に選ぶ、危機の中で成長する機会を見つけることが大事にされていません。

しかし、“主イエスについていくために、自分を捨てなければなりません”という根本的な状態は変わっていません。(参照:マタイ16、24)

 

初代教会のオリゲネはこの真実を次のように表します:“誘惑は人を殉教者にするか、それとも、偶像崇拝者にします。”

ドイツのナチストから迫害され、最終的に殺されたD.Bonhoeffer(ディトリッヒ ボンヘッファー) は、自分の体験に基づいてこういうふうに話します。“真理を探すために努力したいと思ったら、まずあなたの魂と官能を管理することを学びなさい、あなたの欲望から惑わされないように。あなたの魂も体も純潔のうちに守り、完全にそれらを管理しなさい。訓練によってしか自由の秘密を発見することはできません。”

 

現在、人間学と心理学の進歩によって、人間の状態をもっと知るようになり、人間の真実がもっとわかるようになりましたが、人間の現実は変わりません。

“戦い”について話すのはたぶん人気のない話し方ですが、この話し方を使うのは、キリスト者にとって誘惑と戦うことが、重要なポイントであり、無視してはいけないことを明確にします。

 

2.“心を守る”のは、この戦いの目的です。

聖書によると、霊的な生活を始め、霊的な戦いが人間の最奥にある心から出発します。聖書の中で、人間の“心”は広い意味を持っています:心が知識と思い、意志と希望、愛と勇気の場で、人の姿勢をまとめる場です。“そこでは人間はただ一人神と共にあり、神の声が人間の深奥で響く。”(バチカン公会議:“現代世界憲章”16)

この場の中で、神が人と話し、ご自分と会話を始めるように紹介してくださいます。ここで聖書によると、人間は自分の姿勢を決めます。“聞き分ける心”(列王記上3、9)を育てる、すなわち、いただいている御言葉を受け入れ、それに従って生きる努力をするか、それとも、御言葉を受け入れないで、“頑固な心”(マタイ19、8)が表れる結果となります。

ここには回心の道が始まるか、それとも罪の奴隷と偶像崇拝の状態が実現されます。

 

教会の教父たちによると、誘惑は4つのステップによって実現されると言われます。

1)心の中で感動させられることが起こります。それは突然起こりますが、時々、

出会い、読んだこと、見たことによって起こりますので、目の節制を行うのは大切です。

その感度がどこから来るかということを明確にするのは大切です。

神からですか?誘惑をする者からですか?

2)悪いものだと分かったら、すぐ戦わなければなりません。戦う代わりに“会話”を始めたら、誘惑は、もう耐えることの出来ない存在になります。

3)戦いの代わりに“会話”があれば、その感度を好むようになり、もう誘惑に勝つことができなくなります。

4)何回もそういうふうになったら、激情に慣れることになります。

そのために、自分の心を守るのは大事な技術になります。

簡単なものではありません。沈黙と祈りが必要ですが、と同時に自分の中で何が起こっているのか、どういうふうにわきまえたらいいのかを明確にすることが大切です。

 

キリスト者は、聖霊の恵みと導きに頼って、自分の心を読むようになります。

 

兄弟である神父、

ジャンピエロ ブルニ

 

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